コンセントに「見た目」は関係ない。機能性で勝負!


◇コンセント位置に規定なし!

コンセントの配置は、何を基準に決めていますか?


◆なんとなく1部屋に2個くらい。
◆使いそうな気がする場所に。

 

コンセントの配置計画には、明確な決まりごとはありません。一般的には「掃除機がけ」をできる間隔で配置するというのが基本にすることが多いと思います。なぜなら掃除機は頻繁にかけますし、コードの長さ限界もありますので、抜き差しする頻度が高まります。

 

少しずつ「ルンバ」のようなお掃除ロボットが主流になってきてるようですので、この考え方もまた変わってきます。

 

コンセントの高さも特に決まりはありませんが、基本的には床から25cm~30cmくらいと言われています。ただし、その環境や使う家電によってマチマチです。別に、低い位置になくてはいけないものでもないのです。

 

高齢者が使いやすいようにバリアフリーを考えれば、腰をかがめてコードを抜き差しするのはけっこうな重労働。位置を高く配置してもいいんです。

 

コンセントが高い位置にあると、「目立つし見た目が悪い」と思う方もいます。ただし、コンセントの箇所が不便だったり少なかったりで、タコ足配線だらけコードだらけのほうがスマートではないと言えます。

 

コンセントの計画について、どのように考えて行けば良いのでしょうか。

まずは失敗事例を確認して見ましょう。

◇コンセントの失敗事例を紹介

コンセントの配置計画による失敗談は、とても多いのはご存知ですか?電気そのものが生活に必要不可欠なものですから、同じように生活に密着した設備なのがコンセント。

 

だからこそ起こる、その数々の失敗事例をご覧ください。


◉目立たないように部屋の角に配置したら、掃除機がけで何回も差し替えないと届かなくなった。
◉ドアを開くと、コンセントがぶつかる。
◉キッチンでたまに使う、ミキサー用のコンセントがリビング側にあり不便。
◉テレビ用のコンセントなどが丸見えになってしまった。
◉リビングでパソコンを使おうと思ったが、欲しいところにコンセントがない。

◉リビングの家具を配置替えしたらコンセントがなくて、結局一箇所から延長コードで線だらけ。

 

・・・あげればきりがないくらいに出てきます。

 

なぜこのようなことになったのか。それは単純に「検討不足」と「甘く見た」結果です。

 

建物を計画する際には、まず最初にコンセントの配置から考える人はいません。もちろん間取りを先に検討します。そしてそれはとても大変な作業。


結果として、検討順番的に最後になるものであり、検討が甘くなってしまう感が否めません。

 

ではどうすればよいのかでしょうか。考えるべき対策を見ていきましょう。

◇必要家電を把握しよう

【まずは想定する家電をしっかりと把握すること】


新しい間取りのことだけを考えてはいけません。夢見がちな少女じゃないのですから。

 

何よりもまず「今住んでいる家での行動」をきちんと観察してください。そうすると、意外な時にコンセントが必要になることがわかってきます。

 

見落としがちなのが、ホットプレートや卓上のIHヒーターなどです。壁から延長コードでいちいち持ってきたりしていませんか?

 

ダイニングテーブルから近い位置にコンセントがあれば、便利なのになぁ。」

そんな風に、毎回毎回思っているけど忘れている場面、ありませんか?

 

場合によっては、床にコンセントを埋め込むことだって、天井からぶら下げることだってできるのです。そうすることで、もしかしたらダイニングでパソコンも使える用になります。

 

ミキサーやスマホ・タブレットの充電用にキッチンにコンセントを作るのもオススメです。バリスタなどコーヒーメーカーの使用にも使えますよね。ついでにウォーターサーバーなんかも見落としがちです。

 

炊飯器や電子レンジなど一般的なものはきちんと検討するのにも関わらず、上記のようなものを見落としてしまうのは、「今の生活を観察していないから」に他ならないのです。

 

コンセントに関して言えば、他の家を参考にしたってあまり良いことはありません。住むのは紛れもない、あなたであり、家電というものは価値観があまりにばらばらなのです。

 

例えば「スマホを置くだけで充電できる充電器」は、必要と思う人と不要と考える人は同じ人数くらいいます。つまり、これだけでもコンセントの場所と数は全く変わった繰るのです。

 

◇掃除機を掛けやすく

まずはよく言われる「掃除機」を基準に考えたとしましょう。

 

毎日の作業は効率が大切。一般的な掃除機のコードの長さは『5m』です。一回の接続でかけれる範囲が大きいほど、動作が楽になります。

 

最近はコードレスも流行ってきておりますが、それも結局は充電式。それでも置き場所にはコンセントが必要です。

 

先ほど話したように高さも考えてみてください。高齢者、バリアフリーを考慮するなら床から40㎝~50㎝が良いといわれます。部屋の入口の照明の下が良いと言われていますが、部屋の広さによっては奥まで届かないことがあるので、対角線にコンセントを配置するのも良いでしょう。

 

つまり、考えれば考えるほど「ばらばら」な考え方のものなのです。といいますか、それで良いのです。

◇見た目を気にしてはいけない

コンセントを使おうとした時に、どこにあるかを探した記憶はありませんか?いつも当たり前に存在するものは、ときに盲点となって視界に入らないものです。


計画するときには、一生懸命に「見た目」を気にかけて計画をしていきます。でも、住んだ後は誰も気にしません。むしろ、ないことに不満を覚えてしまいます。


位置が高くて目立つんじゃないか?という考えもありますが、家具や家電など配置してみると、気にならないことがほとんど。友達の家に言って、コンセントを探すという行為そのものが、「コンセントが目に入っていない」という確たる証拠です。


結論として、コンセントの配置計画は「見た目」よりも「機能性」使い勝手を重視するべきだということです。

 

納戸も言いますが、まずは普段の生活を考えてみてください。どんな一日なのか、一週間なのか、だれがどんなときコンセントを使っているか振り返ってみると、意外な部分が出てくると思います。

 

◆不満の少ない家

どんなにおしゃれにするように考えたそしても、デザインというものは、時間と共に慣れてきます。
にもかかわらず小さな不満は、時間とともに大きく増大して行きます。


長く住み続ける家であるならば、デザインと機能性の2択で、迷う必要はありません。日々の作業を楽にすることは快適さに繋がります。デザインのために我慢することは小さなストレスとなり、次第に大きな不満と後悔を感じる結果になりえます。


良い家とは、「不満の少ない家」のことです。

 

ご参考にしていただければ幸いです。