洗濯機とコンセントの「危険な」位置関係とは?


◇洗濯機水栓とコンセントの位置

【読者からの質問】

Q.洗濯機用の水栓とコンセントの高さについて悩んでおります。
洗濯機はドラム式洗濯機の大きめのものを考えており、水栓の高さがコンセントと同じような高さになります。どうせなら同じにしてしまおうと考えておりますが、危険でしょうか?

 

こんなご質問をいただきました。ありがとうございます。

まず、こうお答えしました。

 

A.気にされているのはおそらくショートの危険性についてだと考えます。
まず先にご回答しておきますが、この場合は特に危険ではありません。
もしも水栓とコンセントがぴったりくっついているのであれば、少しでも離してくれればよいと思います。

 

部屋のコンセント位置は指定しない限り、だいたい床から25㎝くらいのところに配置されます。しかし水廻りというのは、家電の位置と大きく関わりがある為高い位置に設置するなど、考慮する必要があります。

 

家電には寿命があり、買い替えるもの。先のことを考えると、標準でよいのか?と思う方もいるかもしれません。ですが、洗濯機高さはばらつきが少ないため、今の洗濯機の20㎝くらい上の位置で計画して問題ないでしょう。

 

だいたい床から105~120㎝と言われていますので、ぜひご参考にしてみてください。

 

実際「電気が通ってるし、水に濡れる可能性がある場所だし、どこに設置するのが安全なのかわからない。」

そんな風に不安に思っている方も多いかと思いますので、今回はその解説をしましょう。

◇まずはコンセントを理解する

こどもがいるご家庭は特にコンセントからの感電防止に注意しなければなりませんよね。

 

住宅に設置されている分電盤についているブレーカーというものは、「過電流」や「漏電」を検知して落ちます。つまり、使い過ぎによる「過負荷」の場合も、水気にふれたときの「ショート」にも反応して電気を遮断する機能を持ちます。


仮にコンセントに水がふれたとしても、ショートを起こし電流が過大に流れて、次の瞬間にはブレーカーが発動して電気を遮断します。つまり、基本的にはそもそも危険性は少なくなってきているのです。

 

よっぽどじゃない限り電気は危険ではないということです。

 

それはピンセットをコンセントに突っ込む、もしくはべちゃべちゃの手でコンセントを触るようなことがない限り、というお話。 注意しなければならないのは変わりません。

 

コンセントカバーは100円ショップでも売られていますので、いたずら防止に活用しましょう。この場合、おしゃれを重視してはいけません。こどもは色や柄があると興味を持ってしますので、壁と同化するくらい目立たないものがオススメです。

 

注意が必要なのは大人も同じです。濡れた手でコンセント廻りを触ることは危険です。洗濯の最中もそうですが、ドライヤー使用時、調理中など特に気を付けてください。

◇水廻りはどうする?

水廻りというのは、水漏れが起きるかもしれないし、湿気も多い、衣類やタオルのホコリが舞いやすい場所です。

 

◉水漏れ

水栓からの水漏れ事故が起きてしまう場所は、ほとんどが水栓の取付口か、もしくは洗濯用給水ホースとの接続口です。


水栓は給水用の配管に接続されます。その接続口は、壁面よりも少し飛び出たところにありますので、水漏れが横方向にしみていくという状況は非常に考えづらいですよね。


また洗濯用給水ホースに関しては、水栓よりももっと壁より遠ざかる個所で接続になりますので、より危険性が少ないと言えます。

ではどこが危険なのかというと、水栓とコンセントが横方向に並んでいる場合ではなく、『上下に配置されている場合』の方です。水栓からの水漏れで壁づたいに下に水が流れた場合、コンセント口に水が付着してショートする可能性があるからです。


つまり、水栓とコンセントは「横並びが安全」ということです。20~30㎝離隔すると、より安全といえるでしょう。それが仮に同じ高さでも問題はありません。見栄え的にも、そのほうが良さそうですね。

 

「上下方向に重ねて水栓とコンセントを配置しない限り、問題はありません」というのが結論になります。

 

◉湿気・ホコリ

コンセントフラグの間にホコリが溜まり、ホコリが湿気を含むとその水分に電気が流れショートします。よくテレビなどで見たことがあるかもしれませんが、「トラッキング現象」と言って、これは怖い現象です。

 

実際、洗濯機のコードは差しっぱなしにしているご家庭が多いです。本来であれば、たまに抜いて、ホコリを取り除くのがいいのです。使わないときはコードを抜くとより安全であり、電気代の節約にもなります。

 

そういう意味で考えると、洗濯機の陰に隠れてしまうよりも、いつも見える位置にコンセントを配置するのがよいということになります。

 

見た目が良くないという方もいるかもしれませんが、安全面で考えると定期的に清掃できるほうを選ぶのが得策と考えます。

 

防止策としては、配置を工夫するという作戦もありますが、屋外用の防水コンセントカバーを使用するという工夫もあります。これは同時に、ホコリや湿気よけになるので、意外とオススメできます。ホコリよけ専用の商品も出ているので調べてみてください。

 

コンセントは、安全で使い勝手の良い位置を計画しましょう。見た目で配置をするのは、そのあとです。

まずは機能を優先し、そのあとでルールを理解してデザイン性を求めるのが、良い間取りにする方法なんだと思います。

 

ぜひご参考にしてみてください。