【一体感】と【一体的】使い方、正しいですか?

◆言葉のニュアンスに注意

家づくりの打ち合わせ中、設計担当に様々な要望を伝えると思います。

 

しかし、言葉の使い方を間違えると、違う意味として伝わってしまい、残念ながら思い通りにならない場合があります。

 

今回は、良く起こる言葉の間違いのひとつである、【一体感】と【一体的】について、言葉のニュアンスの違いをそれぞれ説明していきます。

 

言葉の意味や注意するポイントをしっかりとおさえて、より良い家づくりをしていただけたらと思います。

 

◆一体感

まずは、言葉の意味を見ていきましょう。

 

【一体感】…ひとつにまとまったと感じること

 

これはあくまで感覚の話です。

 

つまり、実際にはまとまっていなくても、まとまっているように感じる

 

家の話に置き換えると、本当につながっていなくても、見た感じの空間がつながっていて広く感じることができるということです。

 

例えば、キッチンという設備で仕切られていても、空間がつながっていることでLDKに一体感を感じられることが、これに当てはまります。

 

では、どのようにすると、一体感を感じられる間取りになるのでしょうか。

 

【一体感】を感じるには…天井をつなげること

 

例えば、リビングダイニングの一角に小上がりの畳コーナーを作る場合であっても、天井の高さが同じであれば一体感を感じることができます。

 

◆一体的

こちらも同様に、言葉の意味から見ていきましょう。

 

【一体的】…複数のものがひとつに、一体になっている様子

 

これは用途(=使い道)の話です。

 

つまり、感覚的にはバラバラに感じるが、実際はひとつにまとまっている。

 

家の話に置き換えると、まとめて使うことができる空間と言えます。

 

例えば、リビングと和室が一体的になっている場合は、来客があった際にリビングを広くして使うことができます。

 

他にも、リビングとウッドデッキが一体的になっている場合、半屋外のスペースとして広く使うことができます。天気が良い日は子どもの遊びの幅が広がりそうですね。

 

では、どのようにすると【一体的】な空間となるのでしょうか。

 

【一体的】な空間にするには…床をつなげること。

 

例えば、天井に垂れ壁や段差があったとしても、床面がフラットであれば、【一体的】に使用することができます。

 

◆自分に必要なのは?

【一体感】を感じられる間取りも、【一体的】に使用することができる空間も、どちらも魅力的です。

 

今回、選択のカギになるのは『可変性の必要性(=変えることができた方が良いのか)』です。

 

それぞれ違う用途でしか使用しない空間と決まっているのであれば、前者の【一体感】のある空間にするのも良いでしょう。

 

逆に、様々な用途で使用できる空間にしたい場合は、後者の【一体的】に使える空間にすると良いでしょう。

 

自分がどのように使いたいかを考えてみる必要がありそうですね。

 

そして、忘れてはいけない言葉の使い方。せっかく考えた理想が思わぬ方向に進んでしまわないように、気をつけてくださいね。

 

今回は、似ているようで、全く違う【一体感】と【一体的】についてお話しました。

 

ご参考になれば幸いです。