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間取りをコンパクトに。狭小住宅の工夫


◇コンパクト設計は大変

狭小住宅を計画されている方。

コンパクトな住宅を設計している方。
またどうしても広さが足りないとお困りの方。


ご苦労様です。その大変さ、痛いほどわかります。

 

住宅の究極の形は「手に届く範囲に納まる設計」と言われ、昔からコンパクト設計は考えられ続けてきました。

そして時代とともに形を変え、多くの人たちを苦しめ続けています。


今回は、コンパクト化の考え方を少しお話しします。

◇「重ねる」という考え方

基本的な考え方はこうです。


似ている部屋を1つにしてみる


部屋の共通点を抜き出して、その特徴に応じてまとめてみる手法です。
少しわかりづらいと思いますので、例を出してみましょう。


<例①>

「水廻り」「使う時間が限られている」という特徴。
・・・洗面、洗濯、脱衣室。
といった感じです。

 

<例②>
「みんなで使う場所」「時間を問わずに使う」という特徴。
・・・リビング、ダイニング、階段。

 

<例③>
「収納が多い」「使う時間が決まっている」という特徴。
・・・和室、寝室、家事室、書斎。

 

<例④>
「子供が遊ぶ」という特徴。
・・・子供部屋、階段ホール、ロフト。


なんとなくわかるでしょうか。
特徴をまとめて、関連する部屋をくくるということです。


その共通点の出し方の中でも特に重要なのは、『時間を無駄にしない』という考え方です。


場所や面積、用途に目が行きがちですが、それは大きな理由ではありません。

とにかく部屋を無駄なく使うためには、使っていない時間を使うようにすること。

 

例えば子供部屋は、子供がいない時間は無駄なスペースですよね。
寝室も、寝ない時間は無駄なスペースであり、贅沢な場所と考えることもできます。


コンパクトな家を作るということは、「時間の無駄をなくしてまとめる」というところからアプローチすると違った考えが生まれるものです。

 

コンパクトにしなければいけないということに執着して、必要な部屋を削るという方法はやめましょう。
狭小住宅は工夫のしがいのある、設計。
大変だと思いますが、楽しみましょう。