洗面脱衣の失敗事例に学ぶ。右と左、逆じゃない?


☆洗面と脱衣の本来の用途

「洗面脱衣室」と聞いて、どのような場所を想像しますか。

 

手洗いや歯磨きをする場所、お風呂の前に服を脱ぐ場所、中には、洗濯機を置く場所、物干し竿を設置して室内干しをする場所でもある、と考えた方もいるのではないでしょうか。

 

「洗面脱衣室=水廻り」とひとくくりにすると、間取り的には効率が良いように感じるとともに、洗面と脱衣は同じような用途に見えてしまいがちです。

 

では、改めて聞きます。

 

「洗面室」・「脱衣室」と聞いて、それぞれどのような場所を想像しますか。

 

洗面室は顔や手を洗ったり、歯磨きや髭剃り、化粧をしたりと、身だしなみを整える場所。

 

脱衣室はその名の通り、お風呂に入る前と後に、脱衣と着替えをするための場所。

 

つまり、根本的に違う用途をもっているのです!・・・まあ、ごく当たり前の話ですよね。

 

ですが、この「ごく当たり前」の用途の違いを「見落としてしまう」というミスが多くみられるのも事実です。

 

「洗面脱衣室」は、上記の用途以外にも、洗濯スペースとして活用する方も多いため、家事動線としては、キッチンと並んで「要」となる間取りのひとつです。

 

この「要」となる間取りで失敗しないためにも、今回は実際の失敗例から学ぶべき重要なことをお話します。

 

☆洗面脱衣室でも良い条件とは

そもそも用途が異なる部屋なので分けることがよいのでしょうか。一緒に考えていきましょう。

 

まず、子どもが小さいときは、親と同じ時間帯で生活していることがほとんどです。

 

その場合、「洗面脱衣室」は、時間帯によって「洗面室」と「脱衣室」それぞれの用途としてしっかりと分割されるため、気にならないかもしれません。

 

しかし、子どもが思春期を迎えたあたりから、使用する時間帯がずれてきます。

朝にお風呂場を使うことや、洗面の前で長時間おめかしすることもあるでしょう。

 

例えば、父が洗面を使用している場合、娘はお風呂に入りづらくなります。

逆に、娘が入浴中に父が洗面を使用しだしてしまうと、娘はお風呂から出づらくなります。

 

家族であれば、使いづらいで済むものも、お客さんであれば使用すること自体できません。

 

このように、同一の部屋で良い場合というのは、前提として「他の人と使用時間が重ならないこと」が条件となるのです。

 

つまり、将来的に使用時間がずれてくることを考えると、「洗面室」・「脱衣室」と分けた方が使い勝手は良いといえるでしょう。

 

しかし、予算や土地の大きさには限りがあるものです。

 

「洗面脱衣室」をどうしても分けられない方もいると思いますので、そんなときのちょっとした工夫もご紹介したいと思います。

 

☆「洗面脱衣室」にも最大限の工夫を

「洗面脱衣室」は廊下またはリビングやダイニングからつながっている扉を開けて入ることが多いと思います。

 

ここからが重要です。一度ご自分の間取りを確認してみてください。

 

扉を開けたとき、そこにあるのは「洗面側」ですか?「脱衣側」ですか?

 

「どちら側ともいえない」なんて間取りの方もいるかもしれませんね。

 

「そんなのどっちでもいいじゃん」と思えるようなこの選択。ここを安易に考えてしまうのは、自分から落とし穴に落ちるようなものです。

 

「洗面脱衣室」を別にできないからと諦めるには早いのです

 

例えば、扉を開けて手前に「洗面側」がある場合はカーテンのようなもので仕切るだけで、少しはプライバシーを確保することができます。

 

もちろん、「洗面脱衣室」が別になっている場合には敵いませんが、このように出入り口の場所を工夫するだけで、解決することができます。

 

☆家族のプライバシーも大切に

我が家は分けたから大丈夫と思った方もいらっしゃるのではないでしょうか。

 

実は、「洗面室」と「脱衣室」を別の間取りにしたからといって満足するには少し早いのです。

 

脱衣室を通った方が洗面室へ近道となる間取りでは、娘が脱衣室を使用中にうっかり扉を開けてしまうなんてことが起こる可能性もあります。

 

これでは、娘といつまでも仲良くしたいパパが娘のプライバシーを考えてと、せっかく別にしても台無しです。

 

こんなことがあれば、後々になって尾を引く可能性もあります。

 

そうでは困ります、家族いつまでも仲良くいたいですよね。せっかく家族のために建てる家が原因でなんて・・・悲しすぎます。

 

あなたの間取りはそうなっていませんか?一度確認することをお勧めいたします。

 

ぜひご参考になさってください。