天井クロスの選び方のコツは「選ばないこと」


◇クロス選びで迷ってませんか?

突然ですが、質問です。


【今いる部屋の天井の柄と色は何ですか?】

見上げないでお答えください。


実はこれ、多くの人が答えられない質問です。先程私の部下にも試しましたが、ちゃんと間違えていました。

 

天井のクロスとは意外と凝視しないものであり、記憶に残りづらいものの部分。実はその程度のものであったりするんです。

 

間取り検討が進み、いよいよデザイン選びとなったとき。
天井のクロスでお悩みではないですか?


その時間は、ぜひ違うことに使ってください!

 

仕事しながら、子育てしながら、家事をしながら・・・。あなたの時間は無限ではありません。そんな「覚えてもいないようなもの」に時間をかけるくらいならば、それは他の部分に時間を費やすべきだと考えます。

 

天井クロスは広範囲ではありますが、壁のクロスほど近くて触れられるようなものではありません。そして種類も壁ほど豊富ではありません。正確には、選ぶ余地がありません。

 

少しだけポイントを押さえて、さっさと選択しちゃいましょう。

 

◇人間の「目線」は天井ではない

皆さんはドアを開けるとき、目線はどちらに向いているでしょうか。ドアを開ける時には、目のピントは「ドア」に合っていますよね。

 

ドアを開けると、目のピントは切り替わり「足元」から「一番奥」へ順に移動して行きます。これは、人間の「危険察知」の本能であり、足元に穴が開いていないか、異物はないかということを自然と判別しようとするからです。


この時の天井の視覚的な役割は、「雰囲気作り」なんです。なんとなく明るいとか暗いとか。なんとなく赤いとか青いとか。天井はそういう「なんとなく」のひとつになります。


その後目線は、人や物へ移動します。物体や動くもの、色鮮やかなものなどに気を引かれ見るという行動に、自然となっていきます。

 

そして、それら物や人はほとんどが、重力に逆らわずに「床」にくっついています。当たり前ですよね。お分かりでしょうか?

 

「天井画」などの美術品のように、わざわざ興味を持って見上げない限り、天井は基本的に「遠くに見るもの」なのです。それ以外の時には目線の高さ、もしくは目線よりも下を見ます。ほとんどのものは、床にくっついているからです。

 

◎例えば、天井のクロスを時間をかけて吟味したとして…。
◎例えば、かっちりと柄を選んだとして…。


はっきり言ってしまえば誰も見ないし、覚えていないのです。

天井は雰囲気であり、空気のような存在と言えるでしょう。

◇天井クロス選びの「簡単な」ポイント

より簡単に、よりすばやく淡々と決定していただくために、少しだけ選ぶポイントをお伝えします。

 

①天井クロスは、安価なものでOK!

壁のクロスは良質なものであったり、柄や凹凸にこだわったりしますよね。アクセントカラーを入れたり、楽しめる部分であります。ただし壁は近くて触るものですが、天井は違います。

天井用のクロスは安価に抑えても全然OKです。

 

②開放的にしたいのであれば、壁と同色!

壁と同類の無地・色合いにすると、壁と天井の間の境目がなくなるので開放的な空間が生まれやすいですね。

 

③壁を引き立たせるなら、色を変える!

明るいほうが天井も高く見え、スッキリします。サンプルの一部だけ見るのと、全面に貼ったものとでは明るさの感じ方が違います。真っ白より、少しトーンを落としても暗く感じることなく逆に丁度良く感じられるものです。

 

寝室や和室などは少し暗めの色合いにしてみるのもオススメです。落ち着いた印象になって安らげる雰囲気を演出することができます。とはいえ、あまり暗くしすぎると壁が低く感じられ圧迫感がでるので気を付けてください。

 

④表面の凹凸は少なめにするのが良案!

天井に凹凸のあるクロスを使用すると、夜照明を付けたときに影ができてしまい、その影が気になってしまうことがありますので激しい凹凸には注意が必要です。

 

 

この4つのポイントを頭に入れておきましょう。

そして天井クロスは、大きな目線で色合いをざっくりと決めるのが鉄則。お金も時間もかける必要がないものだと考えます。


その分の時間を、壁や床、家具やインテリアに注ぐという方が堅実。こだわるということは悪いことではありませんが、どうせならこだわるべき場所にしっかりと時間とお金をかけるべきだと思います。

天井のクロス。ざっくりと決めちゃいましょう。