間取り完成前に【必ず】チェック!意図せぬ大空間を生むな!


◆大空間はいろいろな所に。

今回は、非常に重要な問題ですので、最初に注意をしおきたいと思います。

 

【間取り完成前に、必ず一度はチェックして下さい!】

 

例えばリビング階段のように、リビングを中心にして、階段・2階のホール・吹抜けなどとつながった、大きな空間を作ることがあります。

 

その目的としては・・・

◇コミュニケーションをとりやすく

◇開放的な空間にあこがれて

など、様々あります。

 

また、玄関とリビングの間やダイニングと洗面室の間、リビングと廊下の間などに扉がない場合も同じことです。

 

扉がないということは、空間がつながっているということになりますよね。

 

もちろんこれが、しっかりと意味を持っている空間だとすれば、それは全く問題ありません。

 

その空間に向けて想定をし、計算をし、準備をすることができるからです。

 

ただ、その大きな空間を『意図せずに』作ってしまうことがあります。

 

これが【後悔を生んでしまう】ということをお伝えしたいと思います。

 

 

◆大空間の具体的な事例を紹介

これはとても重要なので、もう少しわかりやすく、実際の例をあげていきます。

 

◇リビングドアを設けずに玄関ホールとつなげた例

これはわかりますよね。リビングと廊下、玄関、玄関ホールと空間がつながります。そして、階段を介して2階とつながることもあります。

 

◇洗濯室をオープンにした例

家事動線を重視したために、キッチン付近から扉なしで洗面・洗濯室と空間をつなげてしまうことになります。

 

◇ファミリークロークを設置した例

特に「ウォークスルータイプ」を選択する場合、玄関からリビングの動線の中に設置することになります。結果として、リビングと玄関、階段がつながることになります。

 

◇パントリーに扉を設けなかった例

キッチンからの動線を良くするために、扉を設置しないということにすることが多く、結果空間を共にしてしまうということになります。

 

この他にも、収納に扉を設けなかった場合や、吹き抜けを介して2階の書斎や洗面、納戸といった部屋とつながることもあります。

 

このように、数えれば切りがないほどに例がある「空間がつながる」という事例。きっと多くの間取りでは、どれか一つくらいは心当たりがあるんじゃないでしょうか。

 

さて、結構引っ張りましたが、これがなぜ「後悔」を生むことになるのかというお話に移っていきましょう。

 

◆こうして後悔は生まれます

その後悔の原因。それは何かというと・・・

 

【空調エネルギー負荷が増える】という問題です。

 

例えば、冬にリビングを暖かくしたいということで、エアコンやストーブのスイッチを入れたとしましょう。

 

目的は「リビングを暖かくすること」なのですが、空間がその他とつながっているということは、どういうことを意味するのか、想像は簡単ですよね?

 

そうです。その他の部屋も自動的に温めなければいけなくなるということなのです。

 

理由は明白。なぜなら、「つながっているから」です。

 

吹抜けやリビング階段のように、もともとそれを想定しているというものであれば問題ないでしょう。それなりの準備や覚悟をもって採用しているでしょうから。

 

ところが気が付けば、それに玄関やファミリークローク、パントリーや洗面などともつながっていたことになっていたとして。しかもそれに気付かなかったとして。

 

【全然暖かくならない・・・】

 

完成してから後悔をし、そしてしぶしぶ周りとマッチしない扉を、むりやりつけるという結果になってしまうのです。

 

玄関の扉を開けるたびに、外からの冷たい風がリビングで感じる、なんていう失敗事例は実はザラにあります。これは廊下とリビングがつながった「開放的」な空間だからこそ起きた後悔です。

 

もちろん暖房時期だけではありません。冷房も同じです。収納の中まで冷やす必要なんてなくても、そこが冷えない限り全体が冷えないということになってしまうのです。

 

不必要なところにまでエネルギーを使い、結果として電気代がかさんでしまう。高額な電気代を払っているのに、いまいち快適な空間じゃない。

 

それこそ、後悔先に立たず。出来てしまってからでは遅いのです。

 

 

◆チェックのポイントを紹介!

 

そんな後悔をしないように、間取り段階から確認をしておくことをお勧めいたします。

 

【その部屋はつながっているのは、どこまでか】

 

よく見れば誰にでもわかります。

 

<ポイントは2つ>

◆2階とつながっている場所を見ること

◆扉のない部分が、どことつながっているのかを見ること

 

これを見て行けばよいだけの話です。

 

それを見ていく際、つながっている範囲に色を塗っていけば、ひと目でわかります。

 

エアコンのスイッチを入れたときに、一緒に冷えるのはどこか?一緒に暖まるのはどこか?

 

それを見ていけばよいだけなのです。

 

そして同じ色に塗ってある部分が、「わかっていた」のであればOKです。想定内ということになるからです。それ相応の準備はしているはずです。

 

もちろん、つながっていることすべて「悪」というわけではありません。少なくとも「わかった上で」つなげているというのが重要だということです。

 

「全館空調だから、うちは大丈夫。」

 

本当にそうですか?玄関のドアを開けたときに、冷たい空気はどこまで広がりますか?

 

全館空調こそ、一気に温めることの出来ないものですので、安心は出来ません。

 

どんな間取り図が出来上がったとしても、必ず一度は確認することを、強くおすすめします。

 

そして、快適な住まいになることを祈っております。