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勝手口はなきゃダメ?必要性を解説!


◇勝手口を取り付ける4つの目的

「勝手口は、つけた方がいいと思いますか?」
という質問が多く寄せられますが、正直なところ一概には言えません。なぜなら、「あれば必ず得する」というようなものではないからです。

 

勝手口を採用する前に、考えなければならないことがいくつかあります。
◉どのような用途で使うのか
◉どのような敷地条件か
色々な条件によって、必要性は変わってくるのです。

 

では、どんなときに勝手口があると便利なのでしょうか。よく言われるのはキッチンからの動線ですが、それ以外にも有効なことがあります。

 

今回は、勝手口が必要かどうかを検討するための、4つの目的を紹介します。

その①~ゴミ出し動線

家の中で、ゴミが最もたくさんでるのはキッチンです。そういう意味で、ゴミ箱の集積もキッチンにしている方も多いはず。

 

キッチンにある勝手口から、直接外へ出れたら時短にもなりますし何より楽です。しかし、「キッチンからゴミを出す」という目的であれば、当然ゴミステーションの場所にも左右されます。

 

ゴミステーションが玄関側からが一番近い場合であれば、そもそも「ゴミ出し動線」としての勝手口は、不要ということになりませんか?なぜなら「玄関でいいじゃん」ということになるからです。

 

旦那が朝出勤時にゴミ出ししてくれるパターンも、勝手口の有効性は失われます。

採用前には、キッチンの位置やゴミ集積場の位置を、考えてみましょう。

その②~買い物動線

買い物して重たい荷物を持って家に入る。食材を冷蔵庫へしまったり、買ったものを片付ける。この動作は日々よく行われますから、やっぱり楽にしたいところですよね。

 

ゴミ出し動線がゴミステーションの位置に左右されるのであれば、買い物は「駐車場の位置」に左右されます。


車から降りて、靴を履いたまま勝手口を開けて物を下ろす。理想的な気もしますが、カギを2種類以上必要とするので、少し混乱することも気になります。いずれにせよ、車からの接続が悪ければ不要です。

 

駐車場からみて勝手口より玄関のほうが近ければそちらに持っていくでしょう。勝手口の位置、駐車場の位置、買い物帰りの行動、考えてみてください。

その③~採光・通風の意味

キッチンはどうしても、奥まった場所に設置されがちです。周りも、食器棚や冷蔵庫などに囲まれてよく考えたら光も風もない。調理時に出た湿気や臭いもこもりやすいですよね。

 

機械換気に頼る方法よりも、スペースがあるなら勝手口を選択するという手法もあるということです。しかし、湿気や換気のためなら窓でも良いのでは?とも考えてしまいます。

 

暖かい季節、勝手口を開けるなら虫の侵入を防ぐために網戸は必須です。

寒い季節、高気密の勝手口を採用したとしても、やはり開口部からの冷気は気になるところ。光熱費や寒さの心配が増すかもしれません。

 

採光・通風は他の用途の+αで考えたほうが良いでしょう。「窓を採用する」という方法で問題ないのか考えるのがポイント。

 

また、寒冷地の住宅は特に積雪を考慮しなければなりません。たとえ勝手口に庇がついていたとしても、積雪があれば開けない可能性があるからです。

 

採光・通風だけの目的なのか、寒冷地なのか、これらを考えてみましょう。

◆その④~災害時避難口

勝手口は災害時の「2方向避難」という考え方もあります。


普通に考えると、災害時は玄関から逃げますよね?でも出火元が玄関側だった場合、玄関が塞がって閉じ込められます。


そんな万が一時のために、もう一つの避難口として「勝手口」を計画するという考えです。家族の安全を考えるのであれば、有効な考えと言えます。

 

普段はさほど必要なくても、いざという時に命を守ってくれるのが「勝手口」になるかもしれません。検討してみる価値はありそうですね。

◇本当に必要かを、自分の生活スタイルで検討する

大きく4つの点について解説しました。しっかりと考えた上で、必要かどうかをご判断ください。

 

そしてもう一点、皆さんが気になるのが「防犯面」の心配です。

 

ドアの防犯上の性能をあげたとしても、鍵をかけ忘れるなんてことがあれば勝手口から侵入される可能性があります。

 

この場合は「勝手口の位置」も考えるポイントです。死角になるような位置だと、一目を避け犯人は勝手口からの侵入を選ぶかもしれません。防犯面も考慮すべき大切な点といえるわけです。用途以外にも敷地の条件もみて検討しましょう。 

 

少なくとも勝手口というものは「必ず付けなければいけないもの」ではありません。計画できないとお悩みの方はご安心くださいね。

 

使わない勝手口があると、その引き換えとして「家具が配置できない」「寒い」などのデメリットが出てくる可能性もあります。良く考えるとわかることも、メリットばかりを追いかけると見えないものも出てきてしまいます。

 

自分たちのライフスタイルに合わせて必要性を考えてみましょう。

 

参考にしていただければ幸いです。