ところで、なぜ【L・D・K】は一緒にするの?

▼絶大な人気を誇るLDK▼

まず、LDKを簡単に説明すると「リビングとダイニングとキッチンを一緒にする」という間取りのことを言います。

 

今では当たり前になりすぎて、疑問に持つ人が少なくなってきましたね。この「LDK」という間取り、標準なのか思ってしまうくらい、マイホームを計画しているご家庭は、かなりの高確率で採用されています。

 

そのせいなのか、逆にこのような疑問を持たれる方も出てきています。

「LDKは一緒にしなければいけないんですか?」

 

普通過ぎるからこそ生まれてしまう疑問。よく考えるとそういう質問があってしかるべきです。絶大な人気を誇るLDKですが、そもそも何故それほどまでに人気なのでしょう?きっと何か理由があるはずですよね。

 

なので、今回はその疑問を紐解いてみたいと思います。

 

この「LDK」というレイアウト。これは現代のライフスタイルを象徴している、また映し出していると言えます。

 

核家族化が進み、専業主婦の割合は減り、女性も社会へ進出しているのが普通の世の中です。男性と女性、家庭でも社会でも対等に向き合う立場として、性別で役割を分けることをしなくなっています。

 

社会の動きは家庭にも言えることで、夫婦で家事や育児を協力し合う家庭が増えてきました。それならば、間取りもなるべくコンパクトに、動線は効率良く短くしたいと思うようになるのは当然の流れです。

 

こどもをリビングで遊ばせながら、料理を作りながら、夫婦の会話をしながら…と、このように「一緒に過ごす時間を共有することすら濃縮する」ということを可能にしてくれるのが、LDKの強みなのではないでしょうか。

 

ただし、それが正しいとは一概に言えません。様々な形が合って、生活スタイルも各家庭で千差万別。ですので、「一緒にしなければいけない」という決まりなんてありません。なにせ間取りは自由なのですから。

 

時代には流行り廃りというものもあります。その昔の住宅には「廊下」というものは存在しなかったという時代だってあります。部屋と部屋がすべてつながっていたのが「普通」でした。

 

そういう意味でも、誰かの真似をする必要はありませんが、良さや悪さはありますので、それを踏まえた上で選択していくという必要性があるわけです。

 

では、LDKにすることによる、メリットとデメリットを整理してみましょう!

▼【LDKにするメリット】

メリットをざっと列記してみます。

 

・間仕切りが少ない為、開放的な大きな空間で過ごせる

家族で過ごす時間がより長くなりやすい

・間仕切りが少ないので、模様替えをしやすい

・キッチンとダイニングの間に仕切りがないので、食事の準備・片付けが楽

 

仮にソファで分断されたとしても、同じ部屋にいるという感覚はありますので、心理的には分断されづらいと思います。目線よりも上に遮るものがない場合(つり戸棚、背の高い家具など)は、特に一体感を感じやすい配置になります。

▼【LDKにするデメリット】

では、デメリットも列記してみましょう。

 

・半強制的に家族で長く過ごすので、プライバシーを確保しづらい

・空間が大きくなるため、暖房効率が良くない(吹き抜けと組み合わせるとさらに良くない)

・キッチンのごちゃごちゃを隠し切れなかったりする

・照明スイッチの配置が複雑になる

・調理の匂いが全体に充満してしまう

 

現在では、断熱性能も暖房性能も常に良くなってきておりますので、「暖房効率が悪い」といっても、生活に支障を与えるほどにはならないと思います。

 

とはいえ、三室が一体となっているが故に、不必要な部分も温めることになります。間仕切りがある建物に比べると光熱費は当然上がります。

 

食事に家事、くつろぎ、団らん、こどもの遊び空間もミックスされるとなると、複合施設のような空間になるため、一人の時間を確保することが難しくなります。

 

必ずと言ってよいほど家族と顔を合わせます。それはメリットのように感じますが、思春期の子どもなどにとってみては、そうではないこともあります。必ずしも一緒に過ごしたいわけではないことも、少し考えてもらえたらなと思います。

 

▼まとめ

「動線」「コミュニケーション」の観点で大きなメリットを得られるものではありますが、全てを集約することは必ずプラスの要素に働くとは限りません。

 

しかし、実際LDKにしてみて良かった!との声は多いように感じます。やっぱり分断したいな…と思ったときには、背丈のある家具等でレイアウト変更することも可能です。

 

くつろぎの空間をどのように過ごしたいのか、ぜひ家族で話し合ってみてくださいね。

 

最初に書きましたが、間取りは自由です。そして、ものごとには必ずメリットとデメリットが存在します。

 

「みんながそうだから」「今までそうだったから」という理由で決めるのではなく、しっかりと家庭のあり方を見定めた上で間取りを検討していくというのが間違いない方法ですね。

 

ぜひご参考にしてみて下さい。