レールレス扉が、住宅に向かない理由!


▼レールレス扉とは▼

レールレス扉とはどのようなものかご存知でしょうか?

 

床面に「レール」が存在しないもので、上部の金具で扉を吊っているような引き戸タイプのものです。

 

「ハンガー引き戸」「吊り戸」などと呼ばれるものです。

 

メリットとしては、床面に凹凸が出てこないこと。つまり、デザイン的にすっきりするということと、でっぱりのせいで車いすが通行しづらいということがないことです。

 

逆にデメリットはというと、「レールがないこと」になります。

 

床面にレールが存在しないということは、つまり上部にレールがあり、扉を吊っている状態で開け閉めする構造を持つ扉です。

 

そういう構造であるために、上にある金具の部分に「扉の全ての重さ」や「動作時の反動」などがすべて負担することになります。

 

その結果どうなるのでしょうか?

 

▼レースレスのデメリット▼

レールレス扉のデメリットを考えたとき、どのような点が上がってくるでしょうか?

 

この構造は重力に逆らっている以上、レールがある通常のタイプに比べると、故障のしやすさは否めません。

 

そして機構が複雑になるので、自分で簡単に直せるというものでもないのです。

 

まさにそこが大きなデメリットとなってしまうのです。

 

上下のレールに納まっているような簡単な構造の引き戸は、取り外したりはめ込んだりスムーズに行えますが、ハンガー引き戸のようなものはそう簡単には取り外しできません。

 

つまり、「メンテナンス性能」という観点では、将来的に「金食い虫」ということにもなりえます。

 

特に子供の多い家庭では、子供が乱暴に開け閉めしがちになったり、遊んでいるときに扉にぶつかったりして、扉が故障するリスクを負うことになります。

 

また足元が完全に空いた状態になってしまうため、気密性も遮音性も低くなってしまうものです。

 

こういった理由により、多くのハウスメーカーや工務店では、あまりお勧めできないというのが実情です。

 

▼必要とされる場所▼

ではこのような扉がなぜあるのかというと、「車いすで生活する方」に重宝するものだからです。

 

床面に凹凸がなく、ドアの開け閉めも軽い力でできるため、特にお年寄りが多い施設にはとても向いている商品なのです。

 

もしも、そういうデメリットをわかった上でも採用するのであれば、問題はありません。そこは個人の自由であり、判断は自分です。

 

ただし「子供のいる住宅」という性質上、レールはあった方が長持ちすることは事実だと思います。

 

先程お伝えした通り、取り外しも簡単なため部屋の区切りを自由に変えることができるのも、レールのある引き戸の特徴です。

 

メンテナンスにお金がかかるのは、住宅にとっては良くないことですよね。住宅ローンは今後続いていくものですから、そこにプラスしてランニングコストが掛かるというのは痛手です。出費はなるべく抑えたい部分ですよね。

 

レールレス扉というものは、総合的に考えると、住宅に向いているものではないということになります。

 

ぜひご参考にしてみてください。