遮音は必須な部屋は?音の悩みを間取りで改善!


◇音の問題は、家づくりの重要ポイント

家の中にいて音が気になることはありませんか?

 

生活音は様々で、色んな部屋から発生します。また外部の音もけっこう気になるもの。一度気になればずっと気になってしまったり、イライラが増したり・・・。心当たりがあるのではないですか?

 

もしかした自分が騒音の発生源で、近所にご迷惑をかけていた、なんてことにはなりたくありませんよね。快適な家づくりのためには、「音」の問題はしっかり考えなければならないものの重要な一つなのです。

 

今回は、遮音をしなければいけない部屋の考え方について解説して行きます。

 

◆防音・吸音・遮音

ひと口に「遮音」といいますが、実は3種類に分かれます。

防音、吸音、遮音。

この3つワード、違いは何?と言うものをざっくりと説明するとこうなります。

 

◉防音…外部と家の中、相互の音を行き来をさせないように防ぐこと。遮音のための対策。

◉吸音…その名の通り、音を吸収し、音を反射させないこと。

◉遮音…空気中を伝わってくる音を遮り、外に漏らさないこと。

 

このような定義はありますが、これらを総称して一般的に「遮音」と言われております。中でも「遮音」は一番の基本であると言えます。では実際にどんな音が騒音になったり、ストレスになる可能性があるのでしょうか。

 

◇人が気になる生活音とは

気になる生活音をみてみましょう。

 

・こどもがドンドン飛び跳ねる

・人が歩く

・硬いものを落とす

・椅子の移動音(引きずる音)

・こどもの泣き声

・給排水音

・テレビの音

・ピアノなどの楽器

・換気扇、エアコン、電気音

・食器の当たる音 ・・・など

 

インターネットから「気になる音」の上位をピックアップしてみました。挙げればキリがありませんね。そして人によって気になる音は異なります。

 

ただ音が出て気になるという部屋だけではなく、逆に集中したい部屋、静かに過ごしたい部屋というものとは分けて考える必要があるのです。

◇どんな部屋を遮音すべきなのか

遮音をする場合の考えは2パターンあります。


◉自分の部屋の音を外に漏らさない。
◉隣の音を自分の部屋に入れない。
このどちらかに当てはまる部屋については、遮音をするべきだと考えます。


「遮音」と考えた場合、大抵の場合トイレは思い浮かびますが、その他に遮音をするべき部屋はあるのでしょうか。その考え方と、部屋の例を見てみましょう。

 

【静かさが重要な部屋】
寝室、書斎などがこれに当たります。


【音を外に響かせたくない部屋】
トイレや洗濯室、配管スペースなどがこれに当たりますね。

この他には、どちらにも該当する部屋として「子供部屋」があります。小さい頃は、そのはしゃぐ音が周囲に漏れないようにという意味で。思春期になれば、周りの音を入れたくないという意味で。


またリビングは色んな音の発生場所ですので、そこに接している部屋で、かつ長い時間過ごす場所があるのであれば、そこも遮音をするべきですね。

 

テレビもあれば、ペットも過ごす場所。キッチンが一体となっていたりもするのが「リビング」です。そんなリビングの隣が「こどもの勉強部屋」だった場合、遮音のための対策は知っておく必要がありそうですよね。

◇遮音する方法をご紹介

遮音するのに、家の中の一番の弱点ポイントはどこでしょうか。それは「開口部」です。つまり、「窓」や「ドア」の部分ということです。

 

壁には厚みがあり、様々な素材の重なりがあるものです。

 

一方で、窓は単純にガラス一枚であり、壁と比べると厚みも素材もまるで違います。また、扉の場合はどうしても隙間ができてしまい、そこから音は漏れてしまいます。

 

その弱点克服のためには、どういった手法があるのでしょうか。見ていきましょう。

 

<開口部の遮音対策>

◇窓の遮音

◎ペアガラス・サッシ、防音サッシを取り入れる。

◎二重窓、二重サッシにするなども効果的。

◎音は距離が遠くなれば小さくなるため、隣の家との窓の位置が重ならないようにする。

◎窓自体を小さくして、音の拡散を防止する。

 

◇扉の遮音

◎防音扉を採用する。ただ高価なものなので必要な個所のみ設置する。

◎断熱扉を採用する。用途は違いますが、防音効果はそれなりに期待できるものです。

◎窓の形状を極力小さくする。ただし採光にかかわる部分には注意してください。

 

では次に、壁や床の遮音対策についても見てみましょう。

 

<壁の遮音対策>

◎壁の内部に「グラスウール」というワタのような断熱材を詰め込む。最もポピュラーな遮音方法。

◎「石膏ボード」という壁材を、二重に貼る。重たくすることで振動を抑える効果がある。

◎壁の内部に「遮音シート」を設置する。

 

<床の遮音対策>

◎厚手のカーペットを敷く。最も有効です。

◎床の下地に遮音シートを施工したり、クッション材を取り入れる。

 

その他にも、音に関する対策はたくさんあります。その一例を紹介しておきましょう。

 

<その他の遮音対策>

◆キッチンの音対策として、食器音はサイレントシンクなどで遮ったり、レールが静かなサイレントレールのキッチン収納なんかもあります。

◆換気扇は直接壁に穴をあけて取り付けると、外部の音が気になることもあります。そこを天井換気扇にしてダクトを介したものにするとけっこう遮音になります。


いずれにせよ、費用は上がることになるものがほとんどです。闇雲に遮音をするのではなく、その必要性をチェックして採用していただきたいところです。

 

 

◇まとめ

 

音の感じ方は人それぞれ。時間帯によっても、日中気にならない音が気になる音に変化することもあります。ただ生活のマナーも当然あって、「自分さえよければ」は世の中通用しません。隣近所がいることも忘れないでくださいね。

 

遮音・防音対策は高価になりますが、断熱性・気密性もグレードアップさせてくれます。色んな効果も得られますので検討してみる価値はありそうですね。

 

ぜひご参考にしてみてください。