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「寝室」を大きくするのは無駄!効果の高い間取りを作りましょう。


▼寝室を広くしたい▼

あなたの間取りの「寝室」はどのくらいの大きさでしょうか?

 

そしてその大きさにした理由は何でしょうか?

 

「大きな寝室にあこがれていた」

「子供部屋よりも小さいのはちょっと」

 

そんな理由ではないでしょうか?

 

もしも「子供が小さいうちは一緒に寝るから」という理由の方がいた場合、その後の使い道はみえているのでしょうか?

 

寝室というのは、とても大切な場所です。一日の疲れを良質な睡眠で解消させる場所。眠ることによって、考えや記憶が整理されたり、嫌なことやストレスをリセットしてくれます。

 

ある程度ゆとりのある寝室は大切かと考えますが、「広すぎる寝室」というのは本当に必要なのでしょうか?

 

今回は、少し反発を受けそうな内容になると思いますが、『寝室を大きくするのは無駄です』という話をしたいと思います。

 

▼3つの要素を考えよう!▼

寝室という部屋は、その名の通り「寝る」という目的を主とした部屋です。当たり前ですよね。

 

では、リビングはどんな部屋なのかというと、「生活をする」「くつろぐ」「接客をする」「団らんをする」「テレビを見る」というように、数えればキリがないくらいに、主となる目的がたくさんある部屋です。

 

「もっと使い道があるよ!」という声が聞こえてきそうなので、ではそこに『活動時間』という考えを入れてみましょう。

 

寝室の活動時間は、起きてから着替えて出るまで。寝る前に着替えて、寝るまで。場合によっては「化粧をする」というようなこともあります。

 

個人差はありますが、おおむね1~2時間程度でしょう。

 

ではリビングは?というと、「出かけている時間以外のすべて」を家族の誰かが使っていると思いませんか?

 

そしてもう一つ、ここに『行動範囲』ということを考えてみましょう。

 

寝室の行動範囲は、基本的にベッドの上のみ。そうですよね?

 

じゃあリビングはどうでしょうか。ソファの上に始まり、ソファの下、机の周り、テレビの前、子供が遊ぶならその周辺、来客が多ければその範囲では収まらないこともあります。

 

寝室とリビングについて、「主たる用途」「活動時間」「行動範囲」の3点を比較してきましたが、何か感じることはありませんか?

 

寝室は基本的に、夫婦以外の人が使わず、しかも使う時間も用途も、大きさも。本来とても限られているということがわかると思います。

 

それに比べてリビングはというと、家族全員が使用し、使用する時間も用途も比べようがないほどに多いですよね。そして広すぎたとしても、その使い道をどんどんと広げることができます。

 

間取りで考えると、確かにどちらも必要な要素ではあります。

 

ですが、広い空間にすることによる効果が高いのは、どちらだと思いますか?

 

広くしたときに、もったいないのはどちらですか?

 

答えは明白ですよね。答えるまでもありません。

 

広ければ広いほどに使い道が広がる「リビング」という家族の共有空間に対して、狭ければ狭いほどに、他へのメリットが大きくなる部屋が「寝室」なのです。

 

実はこの考え方は、寝室だけの話ではありません。

 

廊下は「通るだけ」ですし、収納は「しまうだけ」ですし、玄関は「出入りする」だけ、。

 

そして用途が多いのも、リビングだけではありません。

 

子供部屋は「過ごす時間」も「用途」も「行動範囲」も多いですし、玄関ホールや2階ホールもそうです。また、和室もたくさんの使い道をもちます。

 

わかってほしいのは、広さには「バランス」と「メリハリ」が必要だということです。

 

▼まとめ▼

今感じる重要性もあるでしょうが、将来的にみて子供が成長し、自分は年老います。

 

そういう長い目で見たときに、「もったいない」「贅沢だ」と感じてしまう部屋は、この3つの要素が少ないか、限られているかということで判断ができるということです。

 

効果の少ない部屋は、狭く最小限にするほどに、効果の高い部屋を造り出します。

 

つまり、効果の高い部屋を作り出すことが、空間を豊かにし、すなわち生活を豊かにすることができるのだと思います。

 

マイホームの全ての部屋が希望を詰めた、いわゆる効果の高い部屋にするということは、とても難しいですよね。

 

何かを削ったり、我慢することもあるでしょうし、どこを譲れないのかということも当然皆さんお持ちだと思います。

 

個人によって生活スタイルは違います。

 

寝室でほとんどの時間を過ごすというご家庭もあるでしょう。だとすると、逆にリビングは狭くしてもよいということになります。

 

「主たる用途」「活動時間」「行動範囲」

 

ますはこの3つの要素を、各部屋でしっかりと考えることです。

 

そして、効果の小さい部屋をぎりぎりに。効果の高い部屋をその分大きくしていくというのが、特に住宅においては重要な考え方。

 

🌛add+狭い寝室でも快適に

「効果の高い部屋」や「効果の小さい部屋」というお話しをしてきましたが、寝室はどちらにしても快適であってほしいもの。

 

どのように快適な部屋にできるのか、上質な睡眠の取れる部屋にするのか、少しだけご紹介したいと思います。

 

◉ベッドや頭の向きを考える

窓下に頭が来るようなベッドや布団の向きは、特に寒さの厳しい冬は布団をかぶらない頭を冷やすことになります。

 

方角によって眠りやすい向きや、朝スッキリと起きれる向きがあるのをご存知ですか?人によって違う部分ではありますので、快適だなと感じる向きで寝るのがベストです。

 

ただ、寝室の位置や形状によっては、扉と寝室内の通路を考慮すると一概にそうすることができない部分ではありますよね。

 

窓下に頭が来る方はなるべくカーテンを工夫したり、断熱性能の良い窓を選択するなどしてみてはどうでしょうか?

 

◉クロスや取り入れるリネンカラーに一工夫を

人が落ち着く色というのがあるのは皆さんご存じかと思います。用途によって、人間の心理や感情をコントロールするために配色されることがあります。病院であれば淡い色合いや清潔感んを感じさせる色であったりしますよね。寝室も同様、淡い色合いやブルーやグリーンを取り入れたりすると、良質な睡眠をとりやすくなります。

 

◉照明にもこだわってもいいかも

部屋全体を明るく照らす天井に取り付けられた蛍光灯の明かりは人を活動的にさせます。

 

寝るときの照明は全く無いほうが安眠できると言われていますが、頻繁に起こる災害などに備えて少しだけ点灯させるのも良いでしょう。間接照明をうまく利用したり、調光タイプのものを取り入れることもオススメします。

 

何点かご紹介しましたが、工夫はたくさんできます。扉は開き戸だと室内側の可動域を考えると扉の周りは空けておかなければなりません。なのでそこは引き戸を採用してみる。

 

自分の好きな香りを漂わせてみる。

 

など、自分に合ったものを取り入れてみましょう。

 

寝てしまえば朝が来るだけかもしれませんが、24時間の内、何時間も必要なものが睡眠。日中、アクティブに活動できるかどうかのカギも握っているもの。

 

「効果が小さい」というのは寝室の役割を無くすことではありませんのでご注意くださいね。

 

ぜひ参考にし、実践してみていただければと思います。