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収納での失敗回避の最短路。「変わらないもの」を探せ!


▼新居の生活、イメージできてる?▲

現在の住まいで「リビング収納がない」というご家庭があります。これは、実際に少なくありません。

 

そのご家庭ではどのように収納しているのかというと、「近くにある階段下収納で済ませている」という場合だったり、「購入家具で対応している」という場合だったり、いろいろなパターンがあります。

 

あなたの生活はどうですか?

 

新居を考える際に、今の住まいでの生活の「不便な部分」や「快適にしたい部分」は、新しい間取り計画に反映されているでしょうか?

 

例えば廊下が狭くて無駄に長く、その廊下を通ってトイレに行かなければならなくて、しかもリビングから遠い。

 

なので将来を考えると、リビングからトイレまでの動線をもう少し短く、余裕のある通路幅にしたい。きっと『今の生活で不満に思っていること』は、新居では改善されているでしょう。

 

ではもう一つ考えてみていただきたいことがあります。

 

例えば、「初めから家のつくりがそうなっている」という理由で、生活スタイルを今の住まいに合わせていることって、ありませんか?

 

「リビングで必要なものが少し遠いところに閉まっていて、取り出すのにいちいちけっこう歩く。まぁ慣れちゃったから問題とは思ってないかな」といjうよう事例です。

 

きっとこれは、現在ではそれなりに不自由なく生活をしているのだと思います。そしてそういう経験から、このような結論を出してしまう場合があります。

 

【だから、新築でもリビング収納は必要ない】

この考え方は非常に危険です!

 

なぜならそれは、『新居がイメージできていない』ということだからです。

 

全てがそういうご家庭だと否定するつもりはありませんが、そういう人が多いということです。

 

では、新居をイメージするとはどういうことなのでしょうか?

▼生活が変化する▲

今の住まいと新しい住まいの事を少し考えてみましょう。

 

◆今の住宅にはあって、新居にないものはありませんか?

◆新居にはあって、今の住宅にないものはありませんか?

 

今お住いの家と、全く同じ新居を建てる人はいません。何故なら今の生活よりも、少なくとも良い生活をしたいと思うのは当然だからです。

 

つまり、それは「生活が変化する」ということになります。

 

そして「生活が変化する」ということは、「今までと違う」ということですよね。

 

そうなんです!

 

新居に引っ越すということは、今の生活と違う世界で、新たな生活を始めるということなのです。

 

にもかかわらず、他のあらゆるものや環境や生活スタイルそのものが変化しているのに、なぜか「リビング収納」だけは「変化しない」と考えてしまうのです。

 

それは何故か。

「慣れている」「普通」ということが大きなポイントです。

 

人間は適応能力が高い生き物ですが、動物の本能的に「今までと違う環境」だと不安になって体調を崩したり、最悪は生きていけなかったりします。

 

確かに人も環境の変化というのは、大きくストレスが掛かかりますし、不調になる方もいます。新しい環境で自分にとってマイナスなことが多ければ特にそうなってしまう方もいます。

 

ただ動物より人間は環境に慣れていくという本能も備わっています。そのため、不満に思っていたことも、考え方一つでそう思わなくなったり、普通に生活できてしまったりします。

 

それが今の住まいでも起きているということです。

 

新しい住まいは、玄関の位置も変わり、そこから自分の部屋に向かう動線も変わります。

 

手を洗う場所だって違うでしょう。

くつろぐ場所も違うでしょう。

そしてこれからその生活に順応していくのでしょう。

 

収納だって同じです。

 

いつも収納していた場所が変わり、ルートも変わります。

もちろん、収納できる量だって変わります。

新しい家族ルールだってできるでしょう。

 

ですが、『変わらないものもある』ということに気付かなければいけません。

 

それは何か。

【本当に収納しなければいけない物の量】です。それは変わりません。

▼変わらないものを洗い出す▲

新居への引っ越しを機会に、整理し捨ててしまうものもありますよね。きっとそれは、今の生活には「必要のない物」ですよね。だから捨てるわけです。

 

では爪切りは?タオルは?ティッシュの替えは?どこにしまいますか?

生活必需品というのは必ずありますよね。

 

掃除機やホットプレート、客用のお皿やちょっとした文房具、WiFiなどの無線機器、新聞や日用品ストック品、食品や衣類も含めると「本当に収納しなければいけない物」というものもたくさんあります。

 

もちろん、家庭によって多くの違いがありますので、そこは自分たちしかわからないものです。

 

だからこそ、まずは今の生活から「収納しなければいけない物」が、どのくらいあるのかということを洗い出すことが必要なのです。

 

そして「その総量を把握する」ということが重要になるのです。

 

それから新居での間取りを確認し、動線と距離感をイメージして、収納の大きさと配置をしっかりと考えていくということが必要なのです。

 

「収納はこれで足りるでしょうか」という相談は多く寄せられます。

 

僕は一般的な数値から導き出した答えを伝えることはできます。

 

ですが、本当のところは自分たちでしかわかりえない領域なのが「収納」なのです。アドバイスには限度があります。

 

「今の生活」と、「新居での生活」は全くの別物。新たな人生のスタート。そう考えるのは悪くないことだと思います。

 

ですが、その中にも「変わらないもの」があるということを、もう一度考えてみてください。

 

それを新居でも効率的に実現できるように、しっかりと考えてみることが重要だと考えます。

 

ご参考にしていただければ幸いです。