
◇提案図のどこを見る?
設計担当から提案図をもらったはいいけど、何から見ていいのかわからない。
そんな方のために、見ていく順番を解説しております。
特に決まりはありませんので、あくまで「私なら」という言葉が頭に着くということをご理解ください。
前回第一段で最初に「方角」を見ましょう!とお伝えしました。
2番目に見るポイントは
【家族動線】です。
◆家族動線とは?
動線は、人がどのように動くのかを「線」で表したものであり、
それをいかに短くするかが使いやすさの指標になっています。
図面上に移動する線→↑↓←を直接書き込んでみてみようということです。
頭で思い浮かべてても家族が多ければ多いほど、集計するのが難しくなり、結局考えるのが面倒になってしまいますよね。
家族動線は、内容によって色々細分できます。
洗濯、料理、掃除、など家事の動きを線にした「家事動線」
仕事の生き帰りの行動を線にした「通勤動線」
などなどありますが、いつもの一日の行動を表すだけでも随分と違ってきますよ。
家族が何人かはわかりませんが、一人一人の生活を思い浮かべ、その動線を目で追って見ます。
◇動線の書き方
では早速書いていきましょう。
例えば、お父さんの一日の動線。
朝、寝室から洗面所に行き、リビングで朝食を食べてまた寝室に戻って着替え、
洗面所で髪型を整えて玄関を出ます。
(寝室→洗面所→LD→寝室→洗面所→玄関へ)
帰って洗面で手を洗って寝室で着替え、ダイニングテーブルで食事。
リビングでくつろいで、お風呂に入り、キッチンでビールを取り、リビングでくつろぎ、最後は寝室へ。
(玄関→洗面所→寝室→LD→浴室→K→LD→寝室)
あれ?寝る前の歯磨きは?と思った方、洗面所もぜひ足してください。
このように一連の動き煽って色などで図面上に線を引きます。
往復すれば2回、線を描きます。
長く居る場所は〇をつけてみてもいいでしょう。
こんな感じで次はお母さん。
その次にこども、おじいちゃんというようにみんなの行動を線に表してみましょう。
一通り書き終わったら、なぞった線の多さを見ます。
そして最も多かった線を「主動線」として、その長さを確認する作業をします。
寸法・距離などを見て、どのくらい歩くのか、長いのか短いのかを見ていきます。
そうすることで、どの部屋の位置が重要なのか、
もっと近づけた方がいいのではないかなどの意見が出てくるというわけです。

◇ムダな動きは減らしたい
「動線計画」というと、思いつくままに考えていきがちですが、1日の動きを思い浮かべながら丁寧に、
実際の図面に書いて見ると、見た目的にも作業的にもとても把握しやすくなり、重要視しなければいけない部分が見えてくると思います。
やっぱり余計な動作はしたくないもの。
家事もムダを少なくしたほうが、自分の時間が増えたり、こどもとゆっくり遊べたりする。
時間を有効に使うことで、ストレスなく生活できると思います。
例えば、洗濯物って洗って干すまではいいけど、畳んで仕舞う動作って億劫だな~って方
けっこう多いはず!
そこを短縮させるために、クローゼットをランドリールームの隣にする、だとか
思い切って大型のファミリークローゼットにして、収納場所は一箇所に!
なんていうのも人気な間取りの一つです。
あとは、LDKに学習スペースを設けて、お母さんが家事をしながらこどもたちの様子を見たり、
将来的にはお母さんの趣味スペースへ変更でムダなく活用できます。
キッチンからはゴミ出しに外へ出ることも頻繁にあるでしょう。
そんな何気ない習慣も忘れないで。
動線をコンパクトにするというよりは効率良く、と考えたほうが状況が変わっても
活用できる空間ができるでしょう。
動線の確認・計画は、「繰り返してチェックするほどに使いやすい住まいが出来ているんだ!」と
想像しながら地道に書き込んでみてくださいね。