◇見るべきポイントとは?
設計担当から提案図をもらったはいいけど、何から見ていいのかわからない。
そんな方のために、見ていく順番を解説しております。
特に決まりはありませんので、あくまで「私なら」という言葉が頭に着くということをご理解ください。
第一段「方角をみよう!」
第二段「家族動線を書いてみよう!」
第三段「広さのバランスをみよ!」
に続き、今回は「来客動線」を見ていきましょう。
あまり気にせず計画される方は多いのですが、私生活では重要なポイントです。
「来客動線」とは、つまり「他人にどう見られたいのか」を表します。
◇来客パターンからみえるもの
新居が建ったときは特に多いかもしれない来客。
あー洗濯物、洗面所にごっそりだわ…
リビング・客間に通すとき、料理最中のキッチン丸見え~!
お客さん来ちゃった!寝起きのパパ見られちゃう!
最後は語弊があるかもしれませんね。
すいません…
なんてことは起こりうる状況です。
お客様が来られたときのパターンというのは主に3つあります。
❶玄関口で帰る
❷リビングなどに上がって、帰る
❸泊まる
では順番に解説します。
◆❶玄関口で帰る
①については、お客さんが玄関に立った状態で、どこまで見えるのか、見せるのかということです。
階段の上まで見えるのか。
リビングドアの向こうまで見えるのか。
トイレの扉が見えるのか。
玄関だけでとどめるのか。
この目線に注意して見ます。
玄関から家のプライベートなものが見えてしまうのはちょっと…と思いますよね。
玄関そばにトイレを配置したため、来客時トイレから家族が出られない。
なんてこともあり得るでしょう。
◆❷リビングなどに上がって、帰る
②については、玄関からリビング、トイレの動線の中で、どこまで見えるのかに注意して確認します。
「見えてしまう」というものがないようにすること。
また見えても大丈夫なものだけ見せるという動線を計画するか、または遮蔽物(ドアや家具など)を置くのか。
その点に着目してみます。
お客様が家に上がるということは、トイレや洗面所を使用する可能性は高いです。
普段から整頓しやすいようなつくりにすると、急な来客でも慌てずに済みます。
キッチンの側を通すつくりなら、そこも気を付けたいポイントですね。
毎日違う食材で色んな料理をする、調理器具もたくさんあるキッチン。
使って片付けるを繰り返すそんな空間をいつもキレイに保つことはけっこう大変なことなんです。
◆❸泊まる
③については逆に気心に知れた仲であることが多いため、
脱衣室・浴室に隠すための収納があればよし!とします。
この中で一番意識するべきは、ダントツで❷ですね。
来客時に見せる範囲を限定して、小さい空間でまとめられるようになっているのかを確認していきます。
◇来客動線をイメージして
この「来客動線」に着目して図面を見ると、使う側の目線では分からなかった部分に目が行くようになります。
現在のお住まいでも、実際にお客さんになりきって玄関から歩いてみると、自分の気になるポイントが
見えてきますよ。
結果として「第三者から見た住まい」を意識できるという効果もあります。
家の印象だったり、家族・生活の印象が決まるといっても過言ではないでしょう。
よく言われるのは、家族動線と来客動線を重ならないようにするということ。
でも面積上難しい部分がある。
そんなとき遮蔽物で隠すことや収納に一工夫することを取り入れて解消できることもあります。
図面を自分、もしくは家族の目線ばかりで考えると、視野が狭くなり、思わぬ落とし穴にハマることはよくある話。
最初に図面提案を受けた段階で、それに気付いておくことで、その後のチェックも偏らずに見ることができる、というのが私の持論でもあります。
生活空間のプライバシーをどう守るかは人それぞれです。
チェックポイントを思い浮かべて提案図を見てみましょう。
ぜひご参考にしてみて下さい。