デメリットだらけの天窓。その異名は「悪魔」


◇天窓はデメリットの塊

天窓をご検討ですか?

 

わからない方のために少しだけご説明します。
天窓とは「トップライト」とも呼ばれ、屋根面に設置される窓のことです。
真上を向いているので、太陽光を直接部屋の中に誘導できるという、明るさと暖かさを得られる優れものです。


設計ブームを巻き起こした「劇的ビフォーアフター」などでよく登場しており、とても良さそうな気がするものですね。


でも、ご注意ください!


この一見良さそうに見える「天窓」。

デメリットがとても多いものです。

 

一部の施工業者の間では、そのクレームの多さに「悪魔」の異名を持つほどのものです。
私の経験上でも、天窓に関する漏水クレームや修理依頼、塞いで欲しいという話が多数寄せられます。


採用するのは自由ですが、用途を間違えてはいけません。

◇デメリットを紹介

デメリット①:漏水が多い

想像してみてください。

屋根の役割とは、雨や雪の侵入を防いでくれているものです。
その真ん中に天窓という名の「穴」が空いているのと同じです。

もちろん、そこから水が入ってこないために屋根よりも少し出っ張らせた形で設置します。

 

ですが、実はそれも漏水の原因。


屋根材は、継ぎ目が少ないほど、また形が単純であるほど防水の性能が高いのです。

その屋根材の中間地点に出っ張りがあると、上から流れてきた水はそこで一度せき止められる形になります。

そしてその屋根材は、出っ張りがあるために継ぎ目が多く造られています。

結果、その弱点からじわじわと水が漏れてくるのです。


「天窓がある」というだけで、天窓自体からの漏水に加えて、屋根からの漏水という両方に対してのリスクを負います。

そのため、数年で雨漏りを起こしてしまう事例がとても多いのです。

デメリット②:光の調節が難しい

冬は暖かく感じる天窓も、真夏には悪魔に変身します。
真夏は、1年を通して「最強の太陽」が屋根の真上に位置します。


その光を受けて耐えてくれる、屋根。

その真ん中に、部屋への入り口があることになります。

 

最強の太陽光を、天窓が最大限部屋に送り込むため、とにかく暑い。熱い。

 

それを避けるための方法もあります。
カーテンやブラインドを設置する方法です。

ですがそこには手が届かないので、どうしても電動になってしまう為、いちいち高価です。
しかも修理がしづらい。まったくおススメできません。

 

とにかく光の調節が難しいのです。

デメリット③:雪に弱い

本来天窓の真価は、冬場に暖かさを運んでくれるかどうか、にかかっています。
そしてそれが一番必要なのは、寒さの最も厳しい雪国。

 

なのに。

 

冬場には天窓に雪が乗っかり、光を遮断します・・・。
さらに悪いことに、その雪を放置すると重みで割れてしまう恐れもあります。

なので定期的に屋根に上がり、天窓の雪をおろす作業が加わります。


雪国では特に採用をオススメできないものなのです。

デメリット④:飛来物に弱い

空から降って来るものは、なにも雨だけではありません。

例えば鳥のくわえていた「石ころ」。

例えば氷の塊「雹」。

例えば台風で飛んできた「何か」。

 

それらを、天窓はまともに受け止めます。
結果、破損して室内に飛び散るという事例もゼロではありません。

つまり、年中リスクを孕んでいると言えるのです。

◇天窓まとめ

・・・なんだか天窓のメーカーからクレームがきそうな内容になってしまいました。

当然デメリットばかりではありません。

これだけ世に普及しているんですから、もちろんいろいろと使い勝手もある商品です。
天窓を全面的に否定しているわけではありません。


もともと家づくりは、一長一短。

わかってほしいのは、「表裏一体」ということです。

良さを全面に出す商品というのは、悪さを隠しているということ。

光の裏には影があるということです。


どんなものも、デメリットとメリットを分かった上で、採用するべき。

それをしっかりと検討したうえで、良い家を作って欲しいと思っているのです。
 

良いものを見つけた時には、悪いところを探してみましょう。

それを含めても愛せるならば、ぜひ採用するべきです。