◆兼用するという方法
「リビング学習が良いと聞くからスタディーコーナーを作りたい」
「テレワークが増えたから書斎スペースがほしい」
こんな声を聞くようになりました。
非常に分かります。あると便利ですよね。
もちろんスペース的に、これらを設ける余裕があれば問題はありません。
しかし、無理やりこのようなスペースをつくろうとしているのであれば要注意です。
どうにかしてねじこまれたプランは、とても使い辛く、結果ただの物置になってしまう可能性が大いにあります。
今回は、そんな方に向けて『ダイニングテーブルをうまく兼用する』という方法をすすめたいと思います。
◆ダイニングテーブルをうまく使う?
ダイニングテーブルは、もちろんご飯を食べるためのテーブルです。
では、このダイニングテーブル、1日にどのくらい使用するのでしょうか?
多く見積もって、朝1時間、昼1時間、コーヒータイムに1時間、夜1時間程度でしょうか?
1日のうち4時間程度。つまり、1日の約15%くらいしか使われていないことになるのです。
わりと存在感のあるダイニングテーブルですが、案外使われていないことにお気づきでしょうか。
ここで発想を変えてみましょう。
ご飯を食べる以外の時間帯、そこにただあるだけだったダイニングテーブルを有効活用するのです。
そうすることで、無理やり「スタディーコーナー」や「書斎スペース」をつくる必要もなくなります。
ただ、最初にお話したように、ダイニングテーブルはご飯を食べるためのテーブルです。
勉強するには、仕事をするには、どんなものがあると使い勝手がよいかを考えていくとよいでしょう。
少し一緒に考えていきましょう。
◆ダイニングテーブルを活用
食事をしていない時間帯、ダイニングテーブルを勉強や仕事用デスクとして使うために、どのような工夫をするとよいか一緒に考えていきましょう。
◇スタディーコーナーとして使うには
子どもには、正しい姿勢で勉強に取り組んでほしいと思う親御さんがほとんどでしょう。
ダイニングテーブルは食事をするためのテーブル、同じくダイニングチェアも食事をするためのイスです。
食事をする際にはよくても、文字を書くとなると、子どもの顔とノートが近すぎる場合があります。
文字を書くときの正しい姿勢は、脇を占めた状態で肘が直角、足が床についている状態です。
足が床についていないと落ち着きません。落ち着かないと集中して勉強することもできません。
ダイニングチェアは座面の高さを変えられるものが少ないと思いますので、スタディーコーナーとして使うためには、学習椅子を用意するのこともひとつの方法かもしれません。
また、ダイニングテーブル上の照明も、食事をするための照明です。
勉強をするには少し物足りないため、視力低下につながってしまう可能性があります。
スタンドライトなどがあると良いでしょう。
食事用テーブルと兼用なので、勉強道具をだしっぱにすることはできません。
食事前にさっと片付けられるように近くに収納があると便利でしょう。
◇書斎スペースとして使うには
仕事をするには、ノートパソコンや書類や資料を広げることが多いかとおもいます。
食事の前には片付けなければいけないので、近くにさっとまとめて一時置きできるスペースがあると便利でしょう。
例えば、ダイニングテーブルを選ぶ際に、テーブルの天板下に収納棚があるタイプのものを探すというのもひとつの手でしょう。
また、ノートパソコンを使用するために、近くにコンセントを設置したり、ケーブル類がすっきりと配置できるような工夫もあるとよいでしょう。
◆まとめ
もちろん、勉強用、仕事用とテーブルや空間が分かれていることに比べると、ダイニングテーブルを兼用することは使い勝手が悪いかもしれません。
しかし、勉強用、仕事用のスペースをつくり、家族がくつろぐためのリビングが狭くなってしまっては本末転倒です。
何をとるかは、人それぞれですが、コンパクトな設計の根本は「空間の重ね合わせ」です。
工夫次第で同じ面積のスペースに対して、2倍3倍の効率を生み出すことができます。
憧れはあると思いますが、現実を見てうまく空間を利用してみてください。
余談ですが、サザエさんの時代は居間のちゃぶ台が「食事」にも「団らん」にも「勉強」にも「裁縫」にも使われていました。
それどころか、さらには毎日そのちゃぶ台を片付けて、布団を敷いて寝ている家庭も多くあったそうです。
時代は変化しているので、そこまでとはいいませんが、究極の効率を求めるのであれば、まだまだコンパクトにすることはできます。
ご参考になれば幸いです。