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階段の手すり右?左?その選択が命を守る


◇階段手摺りが命を守る

住宅の階段には、片方にだけ手すりが付いていることが多いですよね。

あなたのお宅はどうでしょうか。

 

ちなみにそれは・・・
右ですか?
左ですか?


これは、設計担当や施工業者さんの気まぐれで、付けやすい方につける・・・というわけでは決してありません。
実は、とても重要なルールがあります。


そしてそれは、命を守るルールなのです。

◇階段手すりのルール

さて、そのルールとはどういうものなのでしょうか。
それは「降りる時の、利き手側」
というルールです。

 

構造上、付けられない場面はあるかもしれませんが、基本的にはこのルールに基づいて付けられています。

 

「利き手側」ということは納得できるでしょう。

つかみやすく、力が入りやすいのですから。

 

では、なぜ「降りるときの」なのかお分かりですか?

 

ご説明します。

 

「階段から落ちる」という事故は、圧倒的に降りる時に多く発生しているのはご存知でしょうか。
人間の体は、階段を登る時には「前かがみ」になっています。

ですが降りる時には、「直立の姿勢」になるのが体の構造です。

 

登るときには前かがみですので、万が一踏み外したとしても、前にある階段に足をぶつける程度ですよね。

でも、降りるときは違います。

直立の姿勢になっているということは、重心が後ろに傾いているということです。

本来歩行としては、つま先から先に地面につき、その後かかとがつくというのが理想です。

ですが、重心が後ろへ移動することでかかとから先に着地するような姿勢になります。


つまり、どうしても降りる時には、不安定な姿勢になってしまうのです。


そして、あ!!と思った時にとっさに出す手。
その命を守る手は、利き手であることがほとんど。


だから、「降りる時の利き手側」に手すりが必要なのです。

◇先人たちは偉大

これは、過去にたくさんの事故事例があったからこそ。

つまり、先人が時間をかけて、たくさんの苦難を乗り越えて生まれた「命を守るルール」の1つ。

建築というのは太古の昔から存在し、長い年月をかけて進歩してきました。

技術の全てが注ぎ込まれたものなのです。

 

当たり前に安全な建物に住めるということは、実はとても素晴らしいこと。

昔から言われるものには、ほとんどの場合理由が存在しているのです。