壁掛けテレビは、「壁下地」なしに設置できません。


◇壁掛けテレビの準備

◆そう簡単に設置できない「壁掛けテレビ」

リビングの間取りが概ね決まり、テレビの置き場所もはっきりしてきた頃。
「ローボードにテレビを置く」か、それとも「壁掛けテレビにする」のかお悩みではありませんか?

 

壁掛けテレビって魅力的ですよね。部屋はスッキリして見えるし、なんとなく高級感もあります。家を新築したら、テレビは壁掛けにしよう!とお思いの方けっこう多いです。

 

【そういう方は、ご注意願います!】

 

知っているでしょうか。壁掛けのテレビは、何の準備をせずに好きなところには付けられません。

 

テレビの重量というものはかなりの重さです。それを壁に掛けるための金具自体も3kg以上の重さを有しています。「新築だし、買い替えようか」なんて考えている方の場合は、サイズアップする方が大半ですので、更に重さは増します。

 

その重量を壁に固定し、「壁」で支えなければならないわけです。壁というものはしっかりとしたものではありますが、ただし端から端まで全てが硬くて強いものでできているわけではないのです。

 

◆壁の裏にある木材が、設置のポイント

壁の裏側には、約30cm間隔に補強の木材が入っております。その木材に対して、厚さ1cm程の「石膏ボード」と言われる板材が貼り付けられているというのを、まずは理解する必要があります。

 

この「石膏ボード」というものは、その名の通り「石膏」で作られており、手で簡単に割ることができる程にもろいものになります。裏側にある木材によって支えられているので、全体として強い壁になっているだけなのです。


つまり、この石膏ボードだけではテレビを支えることはできず、テレビが落ちてしまうのです。更には壁ごと剥がれ落ちる可能性があり大変危険です。というより、設置不可能なのです。

 

準備なしに設置しようとした場合、木材のある場所にしか付けられないので、30cm毎に設置場所がずれていき、思ったところへの取り付けは難しくなります。

 

 

◆では、どう対処すべきなの?

もしも、計画段階からテレビをつける場所がわかっていたとしたら。そうなると、手が打てます。

 

単純な話ですが、テレビを設置する場所に、その木材を仕込んでおけば良いというだけなのです。工事を行っている最中であれば、実は簡単に設置することが可能です。工事が完了してしまうと、その壁をいったん剥がす必要が出てくるため、設置できないということになるのです。

 

具体的にはどうすれば良いのか。非常に簡単です。

まずはテレビの場所と高さを決めてしまいます。10~20cm程度の誤差はかまいません。

 

そしてこう言うのです。
『ここに壁掛けテレビ用の下地(したじ)を入れてください』と。

 

「下地」とは、補強のこと。要するに裏側に木材の板を設置してもらうことができるということなのです。


これで準備完了。テレビは設置できるようになります。

 

設計担当には早めに設置場所を伝えて、トラブル無しに壁掛けテレビの取り付けまで行えるようにしましょう。

◆テレビ以外も要注意!

下地の補強は、テレビに限ったことではありません。重量のあるものを壁に設置しようとしたときには必ず裏に下地が必要です。


例えば大きい絵画。
例えば掛け時計。
例えば棚。


これらを壁に取り付けようとする場合には、下地と言うものが必要になりますので、こういうものを設置する予定があるのであれば、合わせて伝えておく必要があるのです。

 

◇テレビの将来はわからない

もう一つ考えるべきことがあります。それは配線・コンセントについてです

 

せっかくスッキリ壁掛けテレビにしたのに、配線がぐちゃぐちゃで全然スマートに見えない…なんてことになりかねません。

 

置き型のテレビは大体ボードの上に置くので、後ろから出てるごちゃごちゃ配線はなんとか隠すことが出来ていました。しかしテレビを壁掛けにし、更にローボードを置かないとなると、配線たちを収納するところが必要になります。

 

配線の種類も色々あります。アンテナケーブルや、電源、録画機器、そしてゲーム機の線なども合わせるとけっこう線だらけですよね。ケーブルを見せない一番スマートな方法は、設置するテレビの裏側にコンセントがあることです。

 

設計担当に壁掛けテレビの話しをすると、おおむねわかってくれるとは思いますが、あえて伝えることも大切です。コンセントに合わせて、ケーブル収納も考えたいとこですので、この2点は相談しましょう。

 

収納はくり抜きポケットのようなスペースを作ったりと、色々と工夫することが出来ます。

 

時代が移り変わり、10数年以内にテレビを買い換えることもあるでしょう。もしかしたら、もっと大きなテレビを買うかもしれません。外部の接続機器が変わったり、壁掛け金具が変わるかもしれません。でも、将来テレビがどうなるかなんてわからない部分ではあります。

 

施工前はいくらでも取り返しや変更は可能です。ですが、施工が完了するとどうしようもなくなることはたくさんあります。

 

計画段階から「ここに何かをつける予定だ」というのさえわかっていればいくらでも手が打てるということ。
そして「下地を入れて下さい」という言葉。壁掛けテレビをご検討中の方は、これらをぜひ忘れないで下さいね。

 

ぜひご参考にして見てください。