◆階段前に扉を設置
2階建ての家を作る際に欠かせない階段。
どこに設置するかで、雰囲気だけでなく使い勝手や住み心地が変わってきます。
もちろん、どこに設置するにしても階段というのは1階と2階を繋げるためのものなので、においや音、空気の通り道となります。
階段を設置する場所としては、大きく分けるとリビングかホール(廊下)の2択かなと思います。
これは、リビング階段を採用している家に多い事例ですが、「階段の入り口に扉を設置した」というものがあります。
これは、先ほど挙げたように、階段によって空気の通り道ができてしまい、冬場にリビングの温かい空気が2階へと逃げてしまうことを防ぐ目的(※1階リビングの場合)で設置する人が多いようです。
また、生活していく上でこれらが気になってしまい、リフォームで会談前に扉をつけるという人もいるほどです。
ここで、今回は「階段前の扉」について注意点も合わせてお話していこうと思います。
◆それ意味あるの?
そもそも、この階段前の扉に意味があるのかということについてですが、ずばりこれは意味があります。
もちろん、空調システムや換気システム上つけない方が良いという場合もありますが、今回はこれらは例外とします。
空気の暖かいと上に上り、冷たいと下に下りるという性質から考えると、扉によって空気を閉じ込めておくというのは意味があるということになります。
なので、階段前に扉をつけることを否定はしませんし、大いに意味があることかと思います。
しかし、設置場所には注意してほしいのです。
◆その位置で大丈夫?
なるべくデッドスペースは作りたくないという考えから、階段の上り始めや下り始めと扉が「非常に近い」もしくは「くっついている」場合があります。
これは非常に危険です。
まず、冷静に考えてみてほしいのですが、「ドアを開ける」という動作をする時、自分が立っている位置とドアノブとの距離はゼロではないですよね。
実際に測ってみてもらうとよいですが、手の長さに個人差はあれど、40~60㎝程度(かかと⇔ドアノブはあるでしょう。
多少、このスペースが短くても大丈夫と思うかもしれませんが、忘れてはいけないのは、ここが階段だということです。
リビング扉と階段の上り始めがぴったりとくっついている場合を例に挙げて考えてみましょう。
リビング側から扉を開ける際は、特に支障はありません。
しかし、階段側から扉を開ける場合はどうでしょうか。
先ほど話したように、ドアから40~60㎝離れている場所から扉を開けようとした場合、今立っている場所は階段の2~3段目ということになります。
そうです、お気づきかもしれませんが、床から50㎝ほど高い場所にいるのです。
つまり、そこから扉を開けようとする場合、ドアノブはしゃがまないと触れない位置にあるということになります。
危険ですよね。
これは、階段を上った先の2階に扉を設置する場合も同じです。
階段を上りきる手前、扉よりも2~3段低い場所からドアノブに手を伸ばさないといけないわけですから、かなり危険でしょう。
◆解決方法は簡単
では、どうすればいいのか。簡単な話です。
階段の下段もしくは上段から最低でも60㎝以上話して扉を設置するようにしましょう。
階段側に扉が開く場合はもっと必要になります。
そんなに離すことができない場合は無理に設置するのをやめましょう。
「寒いなら扉をつければいいじゃん」という安易な考えではなく、冷静に確認してみてください。
ロールスクリーンやカーテン、垂れ壁なんかでも十分効果はあります。
空調システムで解決できる場合も大いにありますので担当者に相談してみると良いかと思います。
間取り図上では気にならずうっかり…ということがないように、今一度、生活をシミュレーションしてみてください。
ご参考になれば幸いです。