窓配置のきほんの"き"。セオリーは押さえよう

▼窓配置の基本を押さえる▼

部屋の窓を計画するとき、何を重要視して決めていますか?

日当たりを考えて…窓換気するから対面かな…きっとそのように考える方が多いはず。

 

でも、窓の配置は部屋のレイアウトにも影響を及ぼすほど重要なことなんです。安易に考えてはいけません。

 

これからお伝えするのは、たった4つのことでそれはとても基本的なこと。まずはそれを網羅してみてください。

 

どこに配置するのがベストなのか、きっと見えてくるでしょう。窓迷子でお困りのあなた!

解決の道筋を一緒に辿ってみましょう!

▼①1部屋に対して2箇所以上の窓が基本

3帖以下の小さな部屋であればさほど問題ありませんが、それ以上の大きさであれば、基本的には2つの窓にするというのが基本です。

 

それはなぜかというと、均一な採光」と「通風」の観点から理想的なものということです。均一な採光を目的とするからといって、日当たりが良いのは南面ばかりにとらわれてはいけません。

 

時間帯によっては方角毎に日の入り方が違います。

 

朝日なら東面、夕方なら少し強めの陽射しですが西面、北面は暗いイメージが多いと思いますが、安定した明るさを確保することができるでしょう。

 

窓は大きく、数も多ければ採光の確保は可能ですので、採光という観点からだけで言えば、もちろん、LDKのような大きな部屋については数も多くするほうが良いと思います。

 

但し、耐力壁と呼ばれる建物の強度であったり、断熱を考えるとやみくもに窓を大きく、増やすというのは

オススメできません。このように他の観点も抑える必要がありますのでこの先も読み進めましょうね。

 

採光と通風の二つの要素を確保する上では、重要なのは「メイン窓」と「サブ窓」を決めるということ。

 

「この部屋のメインの方角はどっち?」ということを考えると、重要な方角というものはありますよね。そちらを「採光用」のメインと考えて大きめの窓を設置するのがまずはベター。

 

そしてそれ以外の方角に「通風用」の小さめなサブ窓を設けるというのがベストな考え方です。

▼②1部屋の窓の配置は遠くが良い

先ほどの考え方に、「通風」という要素を考えるとわかると思います。

通風は「風が通りやすいかどうか」だけに目が行きがちですが、もっと重要なのは「風が停滞する場所はどこか」という観点です。

 

風が溜まってしまう場所はどこか。同じことを言っているようですが、見方が変わると弱点が見えてきたりします。

 

それを考えると、同じ面に窓を2つ設けるのは、「通風」の観点ではほとんど意味がないことがわかります。

できれば対面した位置に。そしてできるだけ離れた位置に設けることで、風は部屋の多くを通過してくれて、気持ちの良い自然風の換気ができるというわけです。

▼③清掃のしやすさも考慮

窓の種類の中でよく採用される、引き違い窓は大きさにもよりますが、取り外して拭くことができるタイプのものです。

 

それに比べて、押して開くようなタイプの窓ですべり出し窓と呼ばれるものは、その裏側をうまく清掃することができないのはお判りでしょうか。

 

1階部分の窓であれば、外へ出て窓拭きを行うことはできます。ただ、汚れが気になったその時にすぐにキレイにできるのか、子育てや仕事で忙しい日々を送る方はなるべく簡単にキレイを保つにはどうしたら良いのかということも考えるべきなんです。

 

せっかく暮らしやすい自分の家を手に入れるのですから、効率の良くなる家を考えませんか?こういう部分も考慮して、どんな窓にするのが良いのかを検討するのがベターです。

 

2階の窓や、階段・吹き抜けなどの高いところにある窓については、そもそも「清掃しない」ということを考え、引き違いを選定するようなことのないようにしたいところ。

 

窓汚れの多くは、実は窓を開け閉めする際に、外から入ってくるホコリが付着して汚れます。この知識、意外と知られていない事実なんです。

 

なので、清掃できないような場所は、基本的には「開け閉めしない」とするほうが有利ということになるわけです。

▼④必要以上の窓は、「壁」をなくす

明るくしたい、開放的にしたい。

 

そういう考えは良いのですが、結果として「壁」がなくなってませんか?これも窓配置の大きなポイントの一つなんです。

 

例えばカレンダーを設置したり、子供の写真や飾り、絵画や時計などを設置しようと思ったときに、何もない壁というのは非常に有効に働きます。

 

また収納が足りないので棚やタンスを設置したい、といったときにも重要な要素になります。壁があることによって、家具の配置検討や模様替えがやりやすくもなるんです!

 

壁の役割は実に多様で、必要不可欠なものです。解放感や採光ばかりに気を取られ、大事な壁を失ってはいけません。

 

何もない壁というものは、住始めではなく、時間が経つにつれてボディブローのようにその重要性がジワジワ効いてくるもの。しっかりと確保しておくと、実はとても役に立つヤツなのです。 

▼まとめ

窓配置の基本の4つを解説しました。

①1部屋に2箇所以上

②1部屋の窓の配置は離して

③掃除のしやすさ

④多くの窓は壁を無くす

 

この中でも、特に④の壁の重要性は見落としがちではないでしょうか?様々なことを考えて計画することは、とてつもなく大変です。

 

なので、少しでも多くの情報を手に入れるとよりスムーズに考えれることができますよね。

 

敷地の条件や隣地との関係性、風向きや道路との兼ね合いなど、様々な条件があるので、一概には言えないもの。

それゆえ、非常に難しいのが「窓」というものです。

 

ですが、はずしてはいけない「基本」というものがあるのも事実です。

少なくともこの4つの基本を押さえてから、考えていただければ、大きくそれることはないのかなと考えます。

 

ぜひご参考にしていただければ幸いです。