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見落としがちな騒音。「マンホール」という、まさに落とし穴


◇寝室と道路の関係

「寝室は道路側から離した方がよい」
この意味はお分かりでしょうか。

 

交通量が多いから、車の音がうるさくて起こされてしまう。

主要な幹線道路が近いから、深夜に大型車がよく通る。

特に寝る時間がはやかったり、起きる時間が遅い方には、寝室に響く音というものは注意が必要です。

ただこの車の通る音というのは多くの人が理解しており、間取りを計画するとき皆さんが注意していることだったりします。


問題はここから。
そのように考えることから「交通量も少ないし、道路側に寝室を配置してしまった」という方、結構多いです。
現地をもう一度しっかり見てみてください。

 

【道路にマンホールは、なかったですか?】

 

実はこのマンホールが意外な落とし穴なんです。

◇マンホール騒音はグラスウールで防げない

マンホールについて少し知っておきましょう。

 

マンホールは道路よりも少し高くなっています。これは、マンホール内部に水を入れない為の作戦だったりします。


ただ、その上を車が通過した際「ガタンガタン」と大きな音が鳴ったりしている記憶、ありませんか?度重なる車の走行や、経年劣化、道路の歪みなどで、マンホールやマンホール蓋の周りのアスファルトが傷みやすくなります。

 

この傷みがヒビやガタツキの原因になり、車が通る度に振動・騒音がするのです。

 

このガタンガタン音、かなり大きい音ですよね。重たい金属同士が車のスピードが速ければ速いほど激しくぶつけ合わされ、実に大きな音として鳴り響きます。そしてそれは、寝静まった静かな住宅を妨害する騒音となってしまうことになります。

 

そんな音はできるだけ家の中まで聞こえないようにしたいですよね。以前遮音について解説しましたが(遮音が必須な部屋は?音の悩みを間取りで改善! 参照)、断熱材というものは遮音効果も兼ね備えています。一般的に住宅の周囲を覆っているグラスウールは、吸音作用があるためです。

 

ただし、その吸音効果は「中音域から高音域」であり、金属音や人の話声には非常に効果が高いもの。マンホール上を通過する際になる音は、金属音ではありますがまたちょっと違う音。

 

車がマンホールの蓋をずらすことで発生する重量音です。つまり低音域の音なのです。一般住宅のグラスウールでは低音域の吸音はあまり効果が望めないのです。

 

結果として、そもそも車通りが少なくても、その音は非常によく伝わります。そして安眠を阻害する結果となってしまうのです。

◇土地周りの調査が絶対必要

車通りが少ないからと言って安心してはいけません。土地の調査の際に、周りの状況をしっかりと確認したつもりでも、道路のマンホールまで確認する人はなかなかいません。


まして、将来の配管工事によりマンホールを新たに設置することもあります。そうなってしまったとしたら、寝室を別の部屋に…と考える方もいるでしょう。

 

もし、すでに道路上のマンホール騒音でお悩みなら市や区役所の下水道課に問い合わせてみるのも一つの手です。あまりにも劣化が酷く騒音の苦情が多いものなどは、マンホールの調査をして蓋の交換をしてくれるなどの対応をしている町もあるようです。

 

HPに掲載している町もありますので、一度自分の住んでいる町のHPも活用してみると良いでしょう。新たな発見があるかもしれません。

 

いずれにせよ、避けられる落とし穴は避けるべき。

 

そう考えると、基本的には寝室は道路側に配置しない方が得策であると、改めて認識できるかと思います。 快適な生活を手に入れるには、情報収集も大事ですね。 自分で調べて考えた分だけ、きっと素敵な家が建ちます。

 

ぜひご参考にしてみてください。